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ふと思う・・住職の一人ごと(2-2)

「ハチドリのひとしずく」

森は燃えていました。

森の生き物たちは、われ先と逃げていきました。

でもクリキンディという名のハチドリだけはいったりきたり、くちばしの水の雫を一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。

動物たちがそれを見て「そんな事して、一体なんになるんだ」といって笑います。

クリキンディはこう答えました。

「私は私にできる事をしているだけです・・・・」

私達は、困難や災難に取り込まれてしまう時、あきらめや無力感に支配され、それを考えるだけで気が遠くなってしまう。

しかし、クリキンディはそんなときに、怒りや、妬み、嫉み、出し惜しみ、そんな事に身を任せる暇があるなら自分にできる事、自分にもできる事を淡々とやっていこうよと教えてくれています。

あの燃えている森は、この世を覆う数々の問題に苛まれている地球の姿かもしれません。

近年の異常気象による自然災害や環境破壊。

さらに、貧困、格差、差別、飢餓、戦争・・・世の中は大変な問題で一杯です。

しかしもっと大きな問題があります。

それはこれらの事に関して

「自分にそんな難しい問題を解決する力などない」

「そんなことしてなんになるの?」

と大切な事柄に目をつぶってしまう事です。

私たち一人一人はハチドリの力にすぎないかもしれません。

しかし、あきらめや無力感を吹き払い、しっかりと目を見開いて問題に向き合い「わたしたちにできること」について考え行動し、それを積み上げていくことができるとしたら、燃えている森の火を消すことができる力にだってなれる、かもしれません。

作家山本周五郎は語る。

人は≪何を為したかではなく、何を為そうとしたか≫が大切だ、と。

合掌

 

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