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夏の終わり

暦の上ではすでに秋。

日中はまだまだ暑いが、朝夕は少し涼しくなってきたような気がする今日この頃。

小学生等は夏休みも終わりに近づき、手つかずの宿題に呆然としているお子様もいる事だろう。

永遠に夏休みは終わらないような気がして油断していると、あと数日となっているこの時期をとても寂しく思ったものである。

「夏には夏だけの時間の進み方があるような気がする」

20年程前のドラマで広末涼子さんがこんなことを言っていた。

夏の思い出。

夏休みの時に見た青い空、白い雲、色々な景色、色々な出来事をなぜか強く覚えている。

HPでも報告させて頂いたが、先日「子供夏期道場」なるものを開催させて頂いた。

一泊二日でお寺にお泊り。

お経をお称えしたり、すごろくをしたり、きもだめしをしたり、流しそうめんをしたり。

色々な体験を通して、仏さまの教え「あかるく」「ただしく」「なかよく」する事の大切さをお伝えさせて頂いた。

参加人数は、小学校1年から4年生の総勢21名。

ほとんどがお友達どうしや兄弟での参加であったが3名が個人での参加だった。

知らない人の中でひとりぼっち。

心配で声をかけようとすると、最初のうちは探さなくてもすぐ見つけられるほどポツンとしていた。

しかし、時間が経ちふと気づくと声をかけようにもその3人がどこにいるのかすぐには分からなくなったのである。

2日目を迎えると、何か月も一緒に過ごしたひとつのクラスのようになっていた。

帰り際、その3人は初日の受付時にしていた不安な顔とは全く違う、晴れ晴れとしたとても良い表情で帰って行った。

大人になるとなのか、嫌な事に直面したり、しそうになると様々な対応が出来るようになる。

見ないように、気付かないように、傷つかないように。

その3人も最初は不安だったろう。

ちょっと嫌だったかも。

参加を止めたかったかも。

しかし思い切って参加をしたことで心が動き、心が成長し、何かを感じてくれたのかもしれない。

友達の大切さなのか、家族の有り難さなのか、何かを乗り越える感動なのか。

「あかるく」「ただしく」「なかよく」する事の大切さなのか。

「心」を動かす。

心が動かなくなると色々なものが見えなくなるし聞こえなくなると思う。

身体も硬くならないように柔軟をしてほぐすように、心もほぐしておかないと。

夏の思い出。

今でも忘れない青い空、白い雲、色々な景色。

仏様の教えが、御参加頂いたみんなの心にずっと残り支えとなりますように。

合掌

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